主夫になったら周りの目が気になりそう。
- 世間体が気になる
- 自分の収入がなくなることが不安
- 家事、育児はけっこう大変?
私は子供とたくさんの時間を過ごすために、主夫になりたいと思いました。
一方で、世間体やお金の心配など、かなりデメリットも多そうだなあと思いました。
この記事では、実際にFIREして主夫になった私が感じるメリット、デメリットを紹介します。
この記事では、次のようなことがわかります。
主夫になる前はわからなかったこともたくさんありました。今はデメリットも私なりに克服し、主夫になって本当に良かったなと感じています。
実際に主夫になった生の声が、主夫になりたい、FIREしたい、共働きを解消したいという方の参考になれば幸いです。
主夫のメリット
私にとっては、仕事に縛られず、家族との時間が増えたことが何よりのメリットでした。
性格や条件(専業主夫、兼業主夫、FIRE)によって感じ方は違うと思いますが、仕事のストレス減と時間の余裕は誰にとっても大きなメリットだと思います。
私(我が家)に当てはまるメリット
会社員のストレスから解放される
嫌な仕事や人間関係など、会社員として働くストレスは完全になくなりました。
辞めてみて初めて、今までかなり無理をしてきたことに気がつきました。このストレスは、働く本人にしかわからない、何とも言えない気疲れがありますね。
勤務中だけでなく、帰宅後や休日に明日の仕事のことを気にしなくて良くなると、家族との時間がさらに楽しくなりました。
一方で、主夫という新しい生活が始まると、自分が働いていたことは驚くほどあっという間に忘れます。他にしたいことがなく、仕事が嫌だという理由だけで主夫になっていたら、主夫として続かないだろうなと思いました。
時間に余裕が生まれる
仕事に費やす時間がなくなって、時間の余裕は大幅に増えました。働いていたころに比べれば、家事や育児に時間を費やしたとしても十分に余裕があります。
共働きの子育て、いつも時間に追われていました。子供に「今は無理、早く、急いで」と言う自分が嫌でした。
今は平日も休日も家族とゆったり過ごせる時間があります。一人で過ごす日中に、自分の趣味に時間を使うこともできます。
妻や子供も時間の余裕が増えるので、自分だけでなく家族の心の余裕も増えたと思います。
妻が仕事に専念できる
妻は家事、育児の負担が減り、家のことを気にせず仕事ができるようになります。
共働きのころは、子供が風邪を引いて急に仕事を休むことも多く、急な早退や有給休暇のやりくりに頭を悩ませていました。今は子供の体調不良や平日の学校行事なども心配ありません。
また、ほとんどの家事を私がするようになったので、妻は帰宅後も時間に余裕があります。最近では趣味の習い事も再開しました。
「働くママ = 仕事に家事に育児に忙しすぎる」は当たり前のことなのだろうか。私の妻は、貴重な子育ての時期をもっとゆったり楽しんでいいんじゃないか。
そんなずっと抱えていたモヤモヤを解消することができました。
小1の壁も、問題なく乗り越えることができました。
いつ何をするか自分で決めることができる
働いていると、不本意でも労働時間や上司、お客さんの都合に合わせる必要があります。
今は毎日、いつ何をするか自分で決めることができます。誰にも縛られずに過ごせることは、私にとってとても大きなメリットでした。
明日は何をしようかと考えることも楽しいですし、雨だったら家や図書館にこもることも自由です。
もちろん、家事や子供の習い事の送り迎えなどやることもたくさんありますが、それも自分のペースで楽しみながらできています。
逆に誰も何も決めてくれない毎日なので、受け身のほうが居心地が良い人はストレスに感じるかもしれません。
扶養に入ることができる
妻の扶養に入ることは、金銭面でとても大きなメリットがあります。
私はサラリーマン時代に管理職だったため、年俸制で手当は一切ありませんでした。妻が扶養者、世帯主となる手続きをしただけで、私の例では月に約8万円ほどのプラスの効果がありました。
扶養に入ると私の国民年金保険料と健康保険料を支払う必要がなくなり、妻は扶養控除を受けることができます。
さらに、妻の会社の福利厚生で、扶養手当と住宅手当がもらえるようになりました。
その他にも、我が家では世帯年収が減ったことで、児童手当が増額になりました。
このように、国の制度や妻の会社の福利厚生を活用することで、思っていた以上のプラスの効果を受けることができました。
株は特定口座(源泉徴収あり)で運用することで、利益が出ても課税対象の所得ではなくなり、扶養から外れる心配はありません。
私(我が家)に当てはまらなかったメリット
主婦の大変さを知り、妻を思いやることができる
家事と育児の大変さに気が付き、妻を思いやる気持ちが大きくなります。
私の場合はFIRE前から、家事と育児をガンガンこなしてきたので、それほど大きな変化はありませんでした。
ただし、私の家事はスピードが速い反面、雑な傾向があるので、妻の家事や料理はとても丁寧だったことに気がつきました。
規則正しい生活を送ることができる
残業や休日出勤、夜勤などが多かった方は、規則正しい生活を送ることができるようになります。
特に小さな子供がいる家庭で主夫になると早起きは必須です。ゆっくり寝ていられる日はありません。
私の場合はFIRE前も子供に合わせて早寝早起きをしていたので、とくにメリットには感じませんでした。
曜日に左右されずにやりたい事ができる
混んでいて料金の高い休日や長期連休を避けて、平日に出かけることができます。
ただし、小学生は帰りが早い日も多く、家族みんなで出かけたい私にとっては、今のところメリットにはなりませんでした。
主夫のデメリット
少数派の生き方なので、独特のデメリットもたくさんあります。
性格や条件によって捉え方は変わると思いますが、とくに収入面や心理面でのデメリットが大きいと思います。
これらを苦にしない方に向いていると思います。
私(我が家)に当てはまるデメリット
世帯収入が少なくなる
一番のデメリットは、世帯収入が大きく下がることです。
我が家では、私が妻の倍以上の収入を得ていたため、退職後に世帯収入は3分の1以下になりました。
事前に想定していたことで、資産運用による収入もあります。それでも、毎月決まった日に給料が振り込まれるという安心感がなくなったことは、思っていたよりモヤモヤします。
貯蓄や不労収入があっても、お金の不安が完全になくなることはないんだろうなと感じています。
ママ友との情報共有、ご近所付き合いが難しい
平日の日中に会う人は、専業主婦(お婆ちゃん含む)が多くなります。
学校や近所のことで相談したいと思っても、男性の私がLINEなどの連絡先は聞くことはちょっとできないです。
顔見知りでよく話す近所のママ(ママ友なのか?)にでさえも、ちょっと聞けないですね。
娘の学校の準備や情報収集、近所の友達との交流に不利だな、と感じています。
再就職やキャリア形成が難しくなる場合がある
仕事がない期間ができることで、再就職や社会人としてのキャリア形成が難しくなる場合があります。
私は「もしだめならまた働けばいい」と思い、主夫になる決意ができました。一方で、辞める前の年収や条件でもう一度働くことは難しいだろうな、とも感じています。
それ以上に問題なのは、実際に主夫になってみると、もう一度フルタイムのサラリーマンに戻りたいと思う気持ちが1ミリもない、ということかもしれません。
会話スキルが衰える
一人で家にいる時間が多くなり、けっこう会話スキルが衰えます。
私はもともと、コミュニケーションが得意で誰とでも話せる性格です。それが何となく人見知りで話が下手になった気がします。
仕事で毎日いろんな人と話していた生活から、日中はほぼ一人の生活に変わると、こんな変化もあるんですね。
単調で一人の時間が多くなりやすいので、家族以外の人と話す機会を増やしていきたいと思います。
老後にもらえる厚生年金が減る
年金の被保険者の種類が変わり、将来もらえる年金が減ります。
私の場合、サラリーマンから扶養される主夫になったので、第2号被保険者から第3号被保険者に変わります。
種類 | 対象者 | 年金保険料の支払い |
第1号 | 自営業者、学生 主婦・主夫(扶養なし) | 自分で納める |
第2号 | 会社員、公務員 | 会社と本人が折半 |
第3号 | 主婦・主夫(扶養あり) | 配偶者が加入する厚生年金や共済組合が負担 |
扶養に入ることで、国民年金保険料の負担はなくなります。ただし、サラリーマン時代にあった厚生年金の加算がなくなるので、その分老後にもらえる年金が減ります。
私(我が家)に当てはまらなかったデメリット
周りの目が気になる
専業主夫はかなりの少数派であるため、まだ世間から理解を得られない場合も多いと感じています。
特に親世代などから「男は外で働くもの」「妻に養ってもらうなんて情けない」という声を受ける場合があり、人によっては一番のデメリットになると感じます。
私は上司や同僚には、どストレートに「主夫になるために会社を辞めます」と伝えましたが、受け取り方はさまざまでした。
私は自分と家族にとってベストな選択だと考え、自信をもって主夫になりました。ですが、次の理由で自分が主夫であるとは公言していません。
- 誰に話しても興味を持たれるので、説明がめんどくさい。
- 年配の方にはまず理解してもらえない、特に親に不要な心配をさせたくない。
- 妻がすごい楽をしている、と誤解されたくない。
- 資産がありFIREしたことは、お金のトラブルの可能性を考えて言わないほうが良い。
また、主夫になる前は、平日にスーパーに買い物に行くと好奇な目で見られると思っていました。
実際に主夫になってみると、そう感じたことは一度もありません。むしろ逆で、思ったより男性の買い物客は多いんだなと感じています。
- 男性も家事をすることが、昔に比べれば当たり前になってきた。
- コロナ禍で在宅勤務の男性が一気に増えた。
- 平日休みの仕事も多く、買い物に行くパパも増えた。
- 高齢化社会で定年後の男性の割合が増えた。
という理由があるのかと思い、主夫にとっては少し追い風かな、と感じています。
仕事がないことを後ろめたく感じる
- 周りはみんな働いているのに、自分だけ働いていない。
- 消費はするけど、お金を稼いでいない。
- 社会に必要とされている実感がない。
こうした気持ちから、仕事がないことに負い目を感じる場合があります。「男は外で働くもの」という固定概念も根強く残っていますね。
私の場合はFIREしたこと、家族にとってベストな選択だと考えたことから、特に後ろめたい気持ちはありませんでした。
ただし、自分のためだけに何かを買ったり、一人の日中にエアコンをつけることを、少し躊躇してしまうようになった気がします。
時間を持て余し、暇に耐えられない
人によっては主夫は暇すぎてつらい、という場合があります。
私は初めのうちは家事に時間がかかったり、今までやりたかったことが溜まっていて、慣れるまではむしろ大忙しでした。
慣れてくると時間に余裕が生まれ、単調な家事の繰り返しは少し飽きたなーと思うこともあります。
ですが、暇だと思ったことは一度もありません。むしろ暇がほしい。時間が全然足りない。
やりたいことは山ほどあるのに、1週間が過ぎるスピードが、サラリーマン時代の倍くらい早いです。
人付き合いが減り、孤独を感じる
主夫になると1人で家にいる時間が増え、孤独を感じやすくなります。私も日中に人と話す機会は確実に減りました。
私は仕事とプライベートを完全に分けていて、会社の人と社外で会うことも望まないタイプでした。そんな私にとって、減ったのは会社の人との仕事上の付き合いだけでしたので、メリットしか感じませんでした。
その分、趣味で出会う人や、気の合うパパ友と話す機会は大幅に増えました。人付き合いの量は減っても質は大幅に良くなったと思います。
本当は同じ境遇の主夫FIRE仲間が見つかればいいなと思いますが、これはかなり難しそうです。
妻に養ってもらうという劣等感
収入源が妻の給料だけの場合、養ってもらっているという劣等感を感じることがあります。
自分が稼いで家族を養ってきたプライドや優越感のようなものがなくなることに、抵抗のある男性はいると思います。
また、自分の自由になるお金が少なくなることがあります。妻が稼いだお金を自分の趣味で使うとなると、少し後ろめたさを感じてしまう気がします。
私の場合はFIREして不労収入があるため特に劣等感は感じませんでした。ただし、市役所で世帯主を妻に変更する手続きをしたときに、世間的には養ってもらっているように見えるんだろうなと思いました。
学校やご近所と接する負担が増える
夫婦の分担にもよりますが、学校やご近所と接する機会が増えます。
平日の学校の集まりは、圧倒的にママばかりです。男性は間違いなく目立ちます。
1年生の子供を迎えに行くママたちの中に、毎日一人だけパパとして混ざることができる強靭なハートも必要です。
また、近所のちょっとした困りごとは、仕事のトラブルとは一味違うストレスを感じることもあります。
私は主夫になる前から、保育園の親の集まりに男性は私だけでも苦にせず馴染めるタイプだったので、特にデメリットにはなりませんでした。
夫の家事、育児の負担が増える
もちろん、夫の家事、育児の負担は増えます。
今まであまり家事、育児をしてこなかった場合、その量と大変さは主夫になったことを後悔するレベルかもしれません。
一つひとつはそれほど難しくないと思います。ただし、自分がそのすべての主担当になること、ときには同時並行でこなすこと、それが毎日ずっと続くことが負担になります。
さらに仕事とは違って評価や報酬が見えにくく、頑張ったのに家族からガッカリされることさえあります。
私は妻の入院で、1か月以上ワンオペで仕事、家事、育児をこなした経験もあり、想定した範囲内でした。
主夫になることを考えている方は、これらのデメリットが苦にならないか、事前に十分考えておくことが良いと思います。
主夫のデメリットの克服方法
主夫のデメリットは主に次の4つだと感じます。
私はそれぞれのデメリットをどのようになくした(減らした)か、私なりの克服方法を紹介します。
お金の不安
私が主夫になる大前提は、私が仕事を辞めても家族が幸せに暮らせるだけの収入を確保できる、という状態になることでした。
そのため、資産運用の収益と妻の収入で生活する主夫FIREという生き方を選びました。
これにより、世帯収入が少なくなる、仕事がないことを後ろめたく感じる、妻に養ってもらう劣等感、などのデメリットがなくなりました。
世間体が気になる
私は自分が主夫であることは公言せず、「娘が小学生になるタイミングで、働く日や時間を自分で決められるフリーランスとして在宅で働くことにした」と伝えることにしました。
もともとフリーランスとして働きやすい職業であったことや、コロナ禍を経て在宅勤務が増えたこともあり、まずまず自然な流れで周りの人に受け入れられたと思います。
これにより、周りの目が気になる、親など身近な人に心配をさせたくない、などのデメリットがなくなりました。
伝えると必ず驚かれますが、私の実体験では、ほとんどが次のような温かい反応ばかりでした。
家族を大切にする〇〇らしい決断だね、応援するよ。
親が家にいて子供が幸せだね。
旦那が家事もしてくれるなんてうらやましい。
まだ少しずつですが副業も始めたので、税務署に開業届を出して個人事業主になりました。職業欄には「自営業」と書いています。
家事、育児の負担
家事と育児の量は増えましたが、これを負担と思わず楽しむことにしました。
育児
私は主夫になった一番の理由が、子供と過ごす時間を増やしたかったことなので、育児の量が増えることは大歓迎でした。
主夫になった今でも、もっと子供と過ごす時間があったら良いなと思っています。子供の笑顔や、毎日少しずつ成長していく姿を間近で見ることができるのは、本当に幸せです。
近い将来、パパなんて嫌い、近くに寄らないで、と言われる日(涙)が来るまで、限られたこの時間を思う存分楽しみたいと思います。
家事
毎日繰り返しで評価されない家事、面倒になるときもあります。でも意外と楽しいですよ。
私にとっては、いかに効率よくタスクをこなすかゲームだと思っています。
今日、明日、今週こなす家事はすべてスマホのタスクリストに入れてあります。
どの順番でこなせば効率的かパズルを組み立てる。できるだけルーチン化して、考える面倒をなくす。上司や部下からの割り込みもなく、自分だけで颯爽とこなす。
面倒だけど仕事に比べればストレスフリーです。
ポイントは時短&完璧を求めないことです。
家事をしながら、1分でも10秒でも良いから時短できる方法はないかを考えています。時短グッズを買ったり、家電の置き場所を工夫したり、時短の工夫はなかなか楽しいです。予定より早く済むと、自分の自由時間が増えるので、達成感もあります。
完璧は求めず、家族が健康で楽しく過ごせたら100点です。
人付き合いが減る
家族、とくにまだ手のかかる子供がいる場合、暇や孤独を感じることは全くありません。
会社の人との仕事上の付き合いは減りましたが、子供の習い事や学校行事に参加する機会が増えたので、私にとって楽しい人付き合いは増えました。
私にとっては子供がいることで、時間を持て余す、暇に耐えられない、人付き合いが減り孤独を感じる、などのデメリットがありませんでした。
まとめ
この記事では、FIREして主夫になった私が感じるメリット、デメリットを紹介しました。
どんな生き方にもメリット、デメリットがあります。
大切なのは、自分にとってゆずれないメリットは何か、自分で変えることができるデメリットは何か、を考えることなのかなと思います。
私にとってゆずれないメリットは家族(子供)との時間でした。株式投資を始めたことで、デメリットを減らすことができました。
これが自分と家族にとってベストな生き方なのか正解はまだわかりません。でも今のところは、一歩を踏み出して、FIREして主夫になって良かったと思っています。
2児のパパが株式投資でFIREして主夫になった。そんな主夫FIREという生き方や、実現した方法は以下の記事をご覧ください。